ビタミン様作用物質

2016年01月15日 14:49

ビタミン様作用物質とは、ビタミンと同様の生理作用が認められながら、少なくともその一部が体内で合成されるため、人ではいまだ欠乏症が確認されていない物質です。 欠乏症が明らかになればビタミンの仲間に入りますが、その幾つかをすでにビタミンとして扱っている専門家もいます。 逆に人の体内で必要量のすべてを合成でき、欠乏症がないことが証明されれば、ビタミン様作用物質の意義は生命活動の維持に必要な生理作用というよりも、健康を増進して病気を防ぐ薬理効果にあることになります。 実際、ビタミン棟作用物質には、薬として臨床に用いられているものが少なくありません。

ユビキノン

エビキノン( コエンザイムQ10は細胞の中のミトコンドリアという小器官でエネルギーの産生に働く物質です。
エビキノンは微生物から高等動物まであらゆる生物が普遍的に持っている物質ですから、通常の食事でじゅうぶん摂取でき、また人の体内でも合成されます。
エビキノンは脂溶性で、細胞膜に存在して抗酸化作用を発揮し、ビタミンEを節約する効果が注目されています。
実際、薬として大量に与えると、その抗酸化作用によって、動脈硬化、高血圧、心臓病などへの有効性が認められます。 心臓、肝臓、腎臓などの臓器を摘出した際、ユビキノンを加えておくと虚血状態に臓器が強くなるので、今後は臓器移植にも用いられるでしょう。 心臓の働きを高めて血液量を増やす

リポ酸

糖質からエネルギーをつくる過程で、リボ酸はビタミンBlとともに酵素の構成成分となって働きます。人などの高等動物はリボ酸を体内で合成でき、欠乏症はないとされています。リボ酸も抗酸化作用にすぐれ、肝臓病になると、血液中や肝臓のリボ酸が減少することから、肝炎や肝硬変の治療にリボ酸の投与が試みられています。

コリン

19世紀半ばに発見された水溶性の物質です。
動物にコリンの欠乏したエサを与えると脂肪肝になることがその後明らかにされ、一時はビタミンと考えられました。細胞膜の主成分のリン脂質(ホスファチジルコリン) の材料となり、脳では神経伝達物質(アセチルコリン)の材料ともなる重要な物質ですが、人では欠乏症は確認されていません。

イノシトール

19世紀末に発見された水溶性の物質で、ネズミにイノシトール欠乏による脱毛症状が確認されました。
しかし、ネズミ以外の動物で調べてみると、ほとんどの噛乳動物は体内でイノシトールを合成できるため、ビタミンと認められるには至っていません。

オロット酸

1905年に牛乳から分離された水溶性の物質です。生物の成長促進因子であることが微生物やネズミの実験で確認され、ビタミンB13と名づけられましたが、人は体内で合成できることがわかり、登録をとり消されました。
臨床では、脂肪肝など肝臓病の治療に用いられています。

カルニチン

1905年に発見された水溶性の物質で、当初はビタミンB群の仲間に入れられ、ある種の穀物害虫の発育に欠かせないことから、この虫の頭文字をとってビタミンBtと呼ばれました。
その後、人の体内ではビタミンCの働きにより、必須アミノ酸のリジンから合成されることが判明し、ビタミンとしての登録を抹消されています。
利尿作用、血圧降下、胃液分泌促進などの薬理作用が認められ、臨床に応用されています。 カルニチンは脂肪酸を燃やすカギ

p-アミノ安息香酸

大腸菌などによる腸炎、膀胱炎、腎孟腎炎などの感染症治療に用いるサルファ剤という一群の薬がありますが、この薬はp- アミノ安息香酸(PABA)に括抗して作用し、感止米菌の増殖を阻止します。
このことから、PABAは大腸菌などの微生物の発育に不可欠の物質であることが明らかになりました。
その後、PABAはネズミの白髪予防因子であることが報告され、ビタミンBxと呼ばれましたが、その評価は今日定まっていません。

ビタミンP(フラボノイド)

ビタミンPは単一の物質でなく、ルチン、ヘスペリジン、エリオシトリン、ケルセチンなど、フラボノイドと呼ばれる一連の化合物の混合物であることが明らかになりました。フラボノイドは植物の菓や花などに広く含まれる天然色素で、その数は数千種類にのぼるといわれています。試験管内の実験では、数多くのフラボノイドの抗酸化作用が確認されています。

ビタミンU

キャベツから分離されたアミノ酸の一種でネズミの胃潰瘍の予防因子であることが明らかにされ、ビタミンUと命名。薬理効果よりであることからビタミンからは外されています。

ピロロキノリンキノン

ビタミンの有力候補として注目されましたが、ネズミを使った実験で欠乏症が発生せず、また動物の細胞内にはそう多く含まれないことがわかりました。ビタミンといえるほど重要な物質ではないことがわかりました。 ビタミンについてはこちら。

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